学習障害の原因は、残念ながら明確になっていないのが現状です。計算や読み書き、会話など特定の事柄に支障が出るのが特徴で、全国の教育現場においては専門的な対策が行われるようになってきました。特に小学生の時期に学習障害が固定化している場合には、中学進学以降も学習の遅れが目立ったり、受験対策が困難になったりすることもあるため、注意が必要です。担任の先生やスクールカウンセラーが中心となり、少人数やマンツーマンで学習指導を行う、進路指導に力を入れるなどの対策も求められるでしょう。
また、学習障害の問題の現れ方には個人差が存在します。学習障害を抱えている方は、成長の過程で多種多様な悩みを抱えるようになります。自分に自信が持てなくなる人も珍しくありません。学習障害の程度によっては、進学や就職の際に大きなハンデとなるケースも少なくありません。さらに、人間関係の面でも上手くいかないこともあるでしょう。そうした中で、学習障害の方ができる限り悩むことがないよう、適切なサポートが欠かせません。精神科医や臨床心理士による早期介入はもちろん、社会全体でのサポートの徹底も大事なテーマでしょう。学習障害の改善には、薬物治療だけでなく、各分野の専門家の下で行うグループワークやカウンセリングなどが有効なこともあります。そこで児童精神科や小児科などの専門医がいる大学病院や総合病院で、学習障害の正確な診断を受けることが肝心です。